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時計じかけのオレンジのvilljobbaのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
3.1
2年前の夏、製造実習で昼勤⇔夜勤の交代勤務をしていました。
お盆休みが始まる前の日、同期の中で私だけ残業。すごく疲れた状態で会社を出ました。
外では雨が降っていました。傘を持っていなかった私は、クソ疲れている中、夜の11時過ぎに1人で雨の中を帰ることになったのです。
しかしその時の私の気分は晴れ晴れとしていました。
遂にお盆休みだ!という気持ちでいっぱい。

私の心の底から自然と出てきたのは、「雨に唄えば」でした。
誰も見ていないことをいいことに、雨の中大声で「雨に唄えば」を歌いました。
ミュージカルソングをピッタリのシチュエーションで本心から歌った経験は、人生の中でこの一度きりです。
自分の気持ちや、他人の共感できる気持ちを音楽にして表現するミュージカルの素晴らしさを、改めて実感できた経験。

そして明日の朝は午前十時の映画祭にて雨に唄えばを劇場で観る予定です。
なのに。この映画は雨に唄えばを穢してくれたと言っていいでしょう。歌いながら暴力と強姦。ふざけんな。
結構メッセージ性のある映画だったんで、深い意味でもあるのかと思いきや、wikipediaによると、ただ主演の俳優がその曲を歌えたからというだけの理由。しかもそれをEDにも使う。
ルドヴィコ療法で第九を聴くと発狂するようになるアレックスの気持ちを体感させてくれました。
あした映画館行くのやめようかな。なんて最悪なタイミングで観てしまったんだ。


しかし、こういった胸糞の悪くなる要素が多く、主人公のクズ野郎がなかなか手痛い仕打ちを受けてくれないのにもムカついたにも関わらず、途中で観るのをやめたくなったりはしなかった。
良い意味でも悪い意味でも印象に残るシーンが多すぎるからだろう。

まさに悪夢のような映画。
早く存在を忘れたいけど、しばらく私を苦しめてきそうだ。
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