おとなのみほん

時計じかけのオレンジのおとなのみほんのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
5.0
のちレビュ溜めてたものを消化して参ります!

この作品は書きたい魅力があり過ぎて、ちゃんと文章になるのやら……でも愛をたっぷり書いて行こう!

【メッセージ性が凄い!!】
映画の中の果実は殆どが「色欲」やセックス的な「欲」の比喩として登場しますが、それをタイトルに持って行くアーティスティックな貪欲さが堪らんですね!そこに痺れる憧れる!時計仕掛けの欲。抑えたものは爆発するけれど、その欲は誰しもが抱えているもので、それこそ人の誕生の根本であり、それを抑制することは人間らしさの欠如になるのではないか。
暴力、セックス、ドラッグ!
天上の天使より、地獄の英雄に!
単純に考えればとてつもない悪だけどその悪を制する為に集団で潰すことはまたそれも悪の根底で答えることの出来ない問いをぶちまけられる!凄い!

【言語が凄い!!】
時計仕掛けのオレンジの原作者が言語に長けてたそうで、このクズ達はちょくちょく造語を話すのですが、これがまた良いの!
格好良い上に使いたくなっちゃう!
某クズ共・亜るとはナッドサット語で話そうぜ!って一時期二人で盛り上がって無理くりナッドサット使ってて二人しか盛り上がんねえ会話とかしてましたw

【美術が凄い!!】
あの性器の美術なんか普通使います?使わんですよ!うわあって引くだろ!でもキューブリックカラーの部屋だからこそなんか芸術的に見えちゃうし性欲の爆発と言う伏線からのそれを自由の象徴と捉えてるマルコムが恐ろしいんですよ!なのにあの衣装では性器を保護してると言う!自制とは何か…

見所を言えば尽きませんが、一つ一つのシーンが近未来的で今尚唯一無二の美しさが画面で輝く!時にはクラシカル、時にはエレクトリカルに!でも彼のような人間を根底から変えることは彼自身で無くなる他に道はないんですよね。
過多な暴力vs過多な制圧。
その抑圧を可哀想と言う人に物事の本質を知る人は誰一人居ない。
過多な暴力シーンも過多な調教シーンもどちらも心が痛む。しかしそんなことをぺらぺら喋る私の中にも時計仕掛けのオレンジはあって、爆発の瞬間を待っているのかもしれない……。そのオレンジが腐り切るまでそれは続くんだろう。
生きる事はそれ程に、自由なのだ!!