ご無沙汰してます!
冬から春にかけてガタガタしてまして、
気がつけば2ヶ月ぶりのレビュー投稿💦
久しぶりにムショ〜に観たくなり、録画リストからこれをチョイス。
そういえばレビューもしてないなぁと思い、。
ご存知キューブリックによる異色のSF。
暴力とセックスに彩られた“管理社会への反逆”を、ポップ&シュールな美的センスで描く。
荒廃した近未来社会で好き放題に暴れまくるアレックス達に対して嫌悪感を抱くのは確かなんだけど、同時にどこか爽快感も感じられて画面に釘付けになってしまう。何故か?
「狂気を題材にした近未来映画」と言われたりするけど、キューブリックが自身の中の狂気とまともに向き合い、それを引き出しているような気がしてならない。
その“狂気”とは卑猥さ・変態さも大いに含む。
観る側も自分の中に“アレックス”を見出すと本作の魅力に取り憑かれてしまうんだと思う。
だからこそ人格改造治療を受けて無害になり個性を失った"clockwork orange"ぶりにガッカリもしてしまい、皮肉なラストのオチは痛快にすら感じる。
アンソニー・バージェスの原作にある不良少年たちの隠語“ナツァト言葉”と呼ばれる不可解な言葉を映画でもそのまま取り入れる大胆さ。
エロ奇抜なオブジェや卑猥描写、近未来的なファッションやポップなインテリア、また一見凄惨な場面のムードにそぐわないような『雨に唄えば』『第九』『威風堂々』の使用……ヘンテコ隠語も含めてそれら細部の絡め合わせ方が絶妙なキューブリックアート。