ハレルヤ

時計じかけのオレンジのハレルヤのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
4.1
初見時は本当に衝撃が走った作品でした。
その物語といい、演出といい、これはキューブリックじゃないと作れないレベル。

面白いとか面白くないとか、そんなくくりじゃ表せないような内容。劇中はひたすら暴力と狂気に満ちていて、とにかく嫌な気分になります。

それでもずっと引き付けられるのは、キューブリック独自の演出があるからこそ。スローモーション、早送り、細かいカット割りなど、カメラワークだけでも見応えがありますし、クラシックの名曲の数々の使われ方、台詞回しなども他の映画では見られない形でしょう。

そして何よりもこの映画を象徴するのは主人公のアレックス。彼を演じたマルコム・マクダウェフの演技の凄さに驚かされます。有名な「雨に唄えば」を歌いながらの暴行シーン。あの曲を歌い出したのも、本来の台本ではなく、彼のアドリブというのもビックリする話です。

警察署で暴力を受ける場面のアレックスが、「ダークナイト」のジョーカーに見えたり、スパゲッティに顔を突っ込んだまま突っ伏す場面も、「セブン」の最初の殺人の場面を思い出しました。実際は分かりませんが、後の映画にも影響を与えるほどの衝撃作だと思いましたね。
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