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時計じかけのオレンジのRIOのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
4.4
まさに人類の叡智👏

人類史上最も偉大な監督、鬼才スタンリー・キューブリックの傑作クライム。


暴力とセックスに日々明け暮れていた不良少年アレックス。

ある日、仲間の裏切りにより、政府の実験台にされてしまう。

人格を改造され、”時計じかけ”のようになってしまった彼だったが、次第に元の暴力性を取り戻していく…


キューブリックが、人間の内に秘めた暴力性、洗脳の恐ろしさを、
独特なカメラワークとセンスが光る選曲、美しい映像表現をベースに、
爽快に描いた名作SFクライムドラマ。

更生という名の下に洗脳し、作り得た人格は、果たして真の人間像と言えるのか?

誰もが持つ暴力性を自分の思うままに剥き出しにした悪人。

洗脳で欲求を無理矢理抑え込み、強制的に作り出した善人。

正しいのは果たして?


見れば見るほど深まっていくメッセージ性を、独特で魅力的な世界観に落とし込む監督のセンスの高さに脱帽…

キューブリックって本当に天才だな。
もはや人間の域を軽く超えてるよ😵‍💫

狂気的にまで作り込まれたシンメトリックな構図展開と、
どのカットを切り取ってもインパクトある絵になる映像センスと美術センス。

人間の内に秘めた矛盾性を冷笑的に嘲笑う、あまりにもシニカルすぎるラストは何度観ても衝撃的だ😱

エロとヴァイオレンスに満ち満ちていながらも、どこか普遍的なメッセージ性をも備え持つ。

キューブリックの作家性そのものの魅力が詰まりに詰まった最高の作品。

死ぬまでに一度は必ず観ておくべき作品です。
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