おけい

イグアナの夜のおけいのレビュー・感想・評価

イグアナの夜(1964年製作の映画)
4.5
ジャケ写とタイトルのセンスが痺れるジョンヒューストン監督(アンジェリカヒューストンのパパ)による人間ドラマ。

誘惑に弱く、これぞザ・人間といった感じの元牧師シャノンが主役。意図せず女性達を惹きつけてしまう不思議な色気のあるシャノンを脂がのってる頃のリチャードバートンが演じています。

聖職者の職を解かれ情緒不安定気味なリチャードバートンが面白い。そんなシャノン元牧師とそれを取り巻く女性達との一夜の会話劇がオツ。 

(男の心は銀行口座と一緒。空っぽでは何も引き出せない)色仕掛けの誘惑をする少女(スーリオン)に言ったセリフなんかははっとさせられた。スーリオンの『ロリータ』を彷彿とさせる奔放さがまたよい。

一方、祖父と放浪の旅をする画家役のデボラカーは聡明で優しく全てを包み込む聖母マリア様のよう。

そんな中でもダントツなのはホテルの女主人マキシン(エバァガードナー)に感服。『渚にて』を観た時も彼女の演技に感動したけど、なんと情感溢れる演技をする女優さんなんでしょうか❣️このマキシンの雰囲気が大好き。ビーチボーイズ達と海で踊り狂ったかと思えば孤独感からか泣いてしまうシーンや感情を吹き出したかと思えば、翌朝冷静に気持ちを抑える。かと思えば…また。豪快で正直でサバサバ。でも実はか弱い。いい女ってこんなもんよ。愛すべき女の代表。
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