バナナ

マイ・フェア・レディのバナナのレビュー・感想・評価

マイ・フェア・レディ(1964年製作の映画)
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英国社会の格式と伝統を描きたかったんだとしたら、少しハリウッド臭が強すぎる。作中でオードリーは浮浪者同然の身から立派なレディへと成長するが、現実では金で品性は買えないということか。
舞踏会の後にイレイザの身分に騙された貴族たちをアホ呼ばわりするシーンや、紅茶はやめてコーヒーにしようと言う教授の台詞が、歴史の浅いアメリカからの英国に対する当てつけに聞こえて面白かった。
ただ、階級社会や父権制へ挑戦するイレイザの姿勢は今見ても勉強になることが多い。
ミュージカルとしてはせっかくハリウッド映画なんだからもっと派手な踊りを見たかったのにイギリスの上流階級を描こうとして下手に上品に仕向けられており、3時間はちょっとキツい。