MoeMiura

マイ・フェア・レディのMoeMiuraのレビュー・感想・評価

マイ・フェア・レディ(1964年製作の映画)
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オードリーヘップバーンがあまりにも妖精。

ヒギンズは実はすごく階級主義者のように思う。言語を絶対の価値基準にしていて訛りや方言をひどく嫌悪する。イライザやその父への対応が彼の階級主義を物語っているみたい。言語が絶対だから言語を矯正することでイライザの地位を変えた。言語が整っている以外、ヒギンズの動きや対応が粗野なのも、ヒギンズにとっての言語の絶対性を表す。その点で言うと、このヒギンズは家の中も、言動も、アッパークラスとして整いすぎな気がする。
初見では、ピグマリオンと比べてイライザの感情の動きがわかりやすくていいとおもった。でも、改めて考えてみるとロマンスに主眼を置きすぎたことで、ピグマリオンの棘というか刺さる部分をなくしてしまったようにも思える。ピグマリオンのエンディングの背景を知ってしまったからかもしれないけど、マイ・フェア・レディはエンディングに合わせてシーンを挿入して帳尻を合わせたような印象すら受けた。

それにしても、セットや衣装の見事さよ!競馬のシーンなんてあまりの美しさに息を飲んだ。静止画のような始まり方は、イライザが挑戦する世界の煌びやかさを強調すると同時に、力作のセットや衣装を見せる時間なんだろうな。
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