踊る猫

ベティ・ブルー/インテグラル 完全版の踊る猫のレビュー・感想・評価

4.5
まず三時間という長さを(それほど)感じさせない展開に舌を巻く。映画は暗黙の了解として二時間程度で終わるものなのだけれど、この映画は三時間掛けて本当に濃厚にベティとゾルグとの恋愛を描き切っているので、終わってしまうのが惜しくさえ感じられる作品だった。色使いが印象深い。コテージのペンキ塗りのシーンでの青とピンク、ベティ・ブルーが着こなす赤い衣装、ゾルグが買った黄色い車……どれも鮮明に眼に焼きつく。そのあたりに惹かれて観たことが一番大きかったのではないかと考える。ただ、ラスト・シーンは「どうなんだろう」という疑問を感じなくもない。あの終わり方は結局男の身勝手を肯定しているだけなんじゃないか、と考えてしまったからでもある。それとも、思い出と共に在ることに意義があるのか……いや、これ以上は慎もう。
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