このレビューはネタバレを含みます
エド・ウッドばりに冒頭で観客に語りかけてきたので実に嫌な予感がしたが、思ったほど観られない映画でもなかった。
同日観た「惨殺の古城」が余りにもチープで酷すぎたせいもあるかも。
ギミックで有名な巨匠・ウィリアム・キャッスル監督作品。劇場では「イマーゴウ」というギミックが用いられた。スクリーンの中のお化けを本当に出すギミック...つまり骸骨の模型を天井から吊るして観客を脅かしたらしい。何のことはない、寄席の幽太のようなものだ。ショービジネスの出身であるキャッスル監督ならではの遊び心なのだろう。何とも茶気に溢れた楽しい趣向だ。
物語は陰惨な殺人事件が何度となく起こった曰く付きの幽霊屋敷に、大富豪夫妻が5人の男女を集め、一晩過ごせたら賞金を出すという狂った設定から始まる。
古典的な怪奇映画で、ホラー描写は今見ると稚拙だが、
幽霊は本当に実在するのか?という謎が終盤まで付き纏いなかなか飽きさせない作りになっていて面白い。
ホラーかと思ったらミステリーだったみたいな。
ただ、殺人事件とか幽霊とか関係なしに、強酸のプールは片付けておこうな。