ジャックシューチャー

市民ケーンのジャックシューチャーのレビュー・感想・評価

市民ケーン(1941年製作の映画)
3.3
映画史上最も評価されてる作品のひとつ。
批評家筋の間でのオールタイムランキングで、必ずと言っていいほどベストに入ってくるのをよく見かけます。

大統領並みの権力を誇った当時の新聞王ケーンが「バラのつぼみ」という謎の言葉を残して息を引き取った。
その謎の言葉を巡ってあらゆる人の角度からケーンの人生が紐解かれていくことになるという、一種の回想録です。
全てを手に入れた超富豪の新聞王の、実は孤独で哀れな人間性が浮き彫りになっていく様子がとにかく切ない!

1940年の作品で当時は考えられなかったような技術と手法が用いられており、今の映画文法のあり方を作り出してしまったというとても革新的な作品とのことだそうです。
専門的な知識があるわけではない自分には本作の何が画期的で革新的なのか正直全くわかりません。
おそらく今の時代に本作を初めて観る殆どの方がそうなのではないでしょうか。

ただ自分によくあることなのですが、そういったある種の高尚なイメージが逆にノイズとなり作品を敬遠してしまうというのはとても勿体ない!
技術やら手法やらそんなのは置いといて、何よりまず本作は極上のヒューマンサスペンスとして純粋に楽しめます。
めっちゃおもしろいです!

個人的には80年以上前の社会と文化を味わう楽しさもありました。