まめ

市民ケーンのまめのネタバレレビュー・内容・結末

市民ケーン(1941年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

とにかく撮り方が計算されつくされている映画だと感じた。どのシーンも面白かったが、特に印象に残ったシーンが3つ程あった。
まず1つ目は、ケーンの幼少期でサッチャーに引き取られるシーン。ここでは2度、窓を通して外から内へ、内から外へ場面が移されていた。これは単純に面白い撮り方だと感じた。
2つ目は2人目の妻スーザンがケーンの元を離れるシーン。スーザンが奥へ歩いていく時に初めは光が当たっていたが途中で影になり、また光が当たった。明→暗→明というのが、スーザンの、ケーンと出会ってからの人生のように思えた。ケーンと出会い恋をし結婚して幸せだったが、そこからケーンに縛られ苦しむ。そしてケーンの元を離れる事で、ようやく解放された、ということが表現されているように感じた。
3つ目は所々あった、人物に光が当たっていない影の場所から、光が当たるところに移動させるというものである。暗くて表情が見えないとことから、光が当たる場所に移動させ、ボワッと見えてくることによってその人物に集中させる効果があると感じた。
またこれらの他にも、カメラのフラッシュや雷といった"光"がかなり強調されるような撮り方だと感じた。光の差し込みや煙草の煙も美しく映っていた。この映画は全体を通して、光と影のアクションが多かったように思える。ほとんどのカットで撮り方になにかギミックがあるような、とても面白い作品であった。
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