ペイン

市民ケーンのペインのレビュー・感想・評価

市民ケーン(1941年製作の映画)
4.7
“世界映画史上No.1の名作”とあまりに言われ過ぎて、もはや逆に今現在観ている人はほぼいないor内容を忘れられているであろう「市民ケーン」。

どの巨匠監督も、どの評論家も、どいつもこいつもw皆オールタイムベストに入れている「市民ケーン」。

中学生の頃に観て以来ほぼ記憶に残ってなかった本作を満を持して観てみたが…

なんだ、ただの超名作か。

まず冒頭ド頭のドラキュラでも出てくるのか?と言わんばかりの異様に作り込まれた幽霊城のようなシーン。この時点で“あ、天才!”と度肝を抜かれ、

そこからは長回し、ローアングル、パンフォーカスといった撮影技術を多用した流れるようなダイナミックなカメラワークにスマートな語り口、抜群の編集テンポであっという間に引きこまれる。まるでジェットコースタームービーを観ているような感覚。3Dや4Dなど使わなくてもここまで出来るのかと。とにかく演出に無駄がない。

そして極めつけは主演も務めている25歳オーソン・ウェルズ。25歳?私と同い年?なんたる芝居と貫禄。あの人を食ってかかるかのような目つきと佇まい。

そしてこの内容の映画を25歳で撮るというのは恐らく彼の精神年齢は80歳くらいだと私は推定する。

ってまぁ色々言ってきたけどオーソン・ウェルズという才能に人生最大級の衝撃を私は(今更)受けたので、観てない人は直ちに観るべき。世界映画史上のベストワンに相応しい1本。
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