リオン66

市民ケーンのリオン66のレビュー・感想・評価

市民ケーン(1941年製作の映画)
3.8
 自分の好みなのだが、盛者必衰を語るドラマに弱い。

 盛者必衰にいろんなバリエーションがあるが、その中でも頑張ってのし上がった人が転げ落ちていくところに悲哀を感じ、感動とは異なるしんみりとした余韻を残してくれる。

 正にこの映画は何とも言えない余韻を残す素晴らしい映画だった。全てを手に入れた男の悲劇。これほどの悲劇はない。

 川端が晩年に好んだ言葉に、仏界易入 魔界難入(仏界入り易く、魔界入り難し)といものがある。魔界に入ったケーンを自業自得と片付けるようでは、人生の深淵を覗くことはできないのではないだろうか。

 また、機会があったら観たい一作だ。
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