LEONkei

いぬのLEONkeiのレビュー・感想・評価

いぬ(1963年製作の映画)
3.9
この映画の中の〈いぬ〉とは警察に犯罪情報を流したり捜査協力する密告者、〝ジャン=ポール・ベルモンド〟がスマートでクールな警察の犬を演じるフレンチ・フィルム・ノワール。

絶妙なライティングで光と影を描写するモノクロのコントラストはスタイリッシュで、言葉では表現しきれない心理と緊張感を生む〝ジャン=ピエール・メルヴィル〟監督。

〝もしその人物が家の中に入って来て、帽子を脱ぐようなら真の紳士。帽子を脱がないのなら紳士の振りをしている男。そして帽子を被っていない人物は、紳士の振りをすることさえ諦めている男。〟

そんな格言があるように〝ジャン=ポール・ベルモンド〟は決して帽子を外さない。

フェルトハットにダブルブレストのトレンチコートに身を包む孤高の〈いぬ〉は、賢いリリエンタールでも愛嬌あるフレンチブルドックでもない。

敢えて例えるなら攻撃性が高く飼い慣らすのが難しいフレンチマスティフだ。

娯楽作品だとしても過度の説明が多い気がする昨今の映画とは一線を画し、空白は自らの感性で埋めれば映画は数倍面白くカフェノワールも美味い..★,
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