Iri17

シン・レッド・ラインのIri17のレビュー・感想・評価

シン・レッド・ライン(1998年製作の映画)
4.2
戦争映画をこんな美しくとってしまっていいのかってくらい映像が美しい。戦争映画にしては派手さはないが、戦争の愚かさ、人間の醜さがしっかりと描かれている。ちょっとタルコフスキーの『僕の村は戦場だった』に似ているかも?

アメリカ兵だから正義、日本兵だから悪みたいな括りはこの映画には一切なく、ただただ戦争の醜さと主人公の思想と感情の揺れ動きにのみ焦点が当てられている。トップ俳優が多数出演しているが、それを見せびらかすような演出はなく、ショーン・ペンもウッディ・ハレルソンもエイドリアン・ブロディも戦争に翻弄された愚かな一兵卒にしか見えない。

テレンス・マリックのこのようなアクション要素の強い映画はあまり観たことないが、モノローグで哲学的問題を語るというマリック的手法がちゃんと存在していて、やっぱりテレンス・マリックなんだなと思った。

でもやっぱり『ツリー・オブ・ライフ』、『トゥー・ザ・ワンダー』、『聖杯たちの騎士』3部作の方が好みだな〜。
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