ぶみ

シン・レッド・ラインのぶみのレビュー・感想・評価

シン・レッド・ライン(1998年製作の映画)
3.5
くたばれ東条、くたばれルーズベルト。

ジェームズ・ジョーンズが上梓した同名小説を、テレンス・マリック監督、脚本、ショーン・ペン、ジム・カヴィーゼル等の共演により映像化した軍事アクション。
太平洋戦争におけるガダルカナル島の戦いに挑んだアメリカ軍兵士等の姿を描く。
公開当時、劇場鑑賞した作品で、多分その時以来二十数年振りの再鑑賞。
当時、テレンス・マリックが二十年振りにメガホンを取ったことで話題になった記憶あり。
ペンやカヴィーゼルのほか、エイドリアン・ブロディ、ジョン・キューザック、ウディ・ハレルソン、ニック・ノルティ、ジャレッド・レト、ジョン・C・ライリー、トーマス・ジェーンといった俳優陣が最前線で戦う兵士として登場、また出演シーンは少ないものの、上官役としてジョン・トラボルタやジョージ・クルーニーが出演と、かなり豪華なメンバーが勢揃い。
また、改めて観ると、敵役として描かれる日本兵の一人が若き日の光石研であったのには驚き。
劇場鑑賞した後の記憶としては、ガダルカナル島での戦いが最初から最後までひたすら、かつ淡々と描かれていた印象だったのだが、今回観終わっても、その印象は変わらず。
とにかく、誰が主人公という訳ではなく、島の美しい緑とは対照的に最前線での戦いがリアリティたっぷりに描かれており、撮影現場では怪我人が出なかったのか心配になるほど。
そこに、登場人物の心情が詩的な言葉で語られるため、戦争映画として独特の世界観を醸し出している。
三時間近い長尺の殆どが戦地での映像であるため、流石に長さを感じてしまうのと、観終わった後にどっと疲れが来るが、ハンス・ジマーが奏でる劇伴をバックに、最前線で戦う兵士の感情が丁寧に描かれている一作。

あのブルーの丘へ。
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