こたつreboot

フォーン・ブースのこたつrebootのレビュー・感想・評価

フォーン・ブース(2002年製作の映画)
4.0
★ 電話ボックスより緊迫感を込めて

電話ボックスの中に響くコール音。
無意識的に受話器を取る主人公。
聴こえてきたのは「そこを離れたら殺す」という脅迫。果たして主人公の命運は…なんて緊迫感に溢れたサスペンス。傑作でした。

しかも、上映時間は80分。
ダラダラせずに緊迫した展開が続くのです。
まあ、力業で押し切った…とも言えますが、押し切ることだって容易ではありませんよ。舞台劇と同じように場面転換を使うことが出来ませんからね。

また、サスペンス映画は“裏読み”に向けた配慮が重要。「○○は○○ではないか」とか「○○すれば良いだろう」とか、そんな観客の想像力を先回りし、地道にフォローする必要があるのです。本作はその期待に応えていました。

やはり、脚本が秀逸だと作品が引き締まりますね。執筆されたのはラリー・コーエン。僕は寡聞にして知りませんでしたが、他の作品でも評価が高いみたいです。

それと、本作は配役も良かったですね。
主人公を演じたのは若かりし頃のコリン・ファレル。虚業の上で二枚舌を駆使する姿から、脅迫電話に追い詰められる姿まで絶妙に演じていました。

まあ、そんなわけで。
贅肉をギリギリまで落とした鋭い脚本。
それを活かしたソリッドな演出…と、サスペンスの純粋な部分だけを楽しめる傑作。あまり深読みせずに手に汗握る展開に身を委ねることをオススメします。また、ネタバレを避けるためにも、鑑賞前に出演者をチェックするのは止めておきましょう。

…ここからは余談。
少しだけ難を言いたいのですが、劇中の“ある”流れが「最初からやれよ」的な印象を与えてしまうところが残念でした。折角、他の部分は研ぎ澄ましてあるのに…やはり、布石とか伏線は重要ですね。まあ、気にしなければ良い話なのですが…スミマセン。根が細かいもので…。