mizuki

アイ,ロボットのmizukiのネタバレレビュー・内容・結末

アイ,ロボット(2004年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

とても好きな映画です。内容自体は今となっては使い古されて新鮮味はあまりない近未来のロボットの話です。この手の映画はターミネーター以降かなり作られてきましたからね〜。

だけどこの映画なかなかその古典的な題材をどストレートに行っていて面白いです。最近では奇をてらいすぎて無理さがでてくるなかストーリーをしっかり丁寧に作っている印象を受けました。この映画のように大枠の古典的アイデアで奇をてらうのではなくその枠の中に描かれる人間模様を丁寧に、斬新に書いてもらいたいです。

内容ですが、サニーというキャラがとにもかくにも素晴らしすぎます。この顔のデザインは良い意味で色合いがなくて純粋ですね〜。お陰で怖くも優しくも見えます。なかなか読み取りにくいです。そしてそんなのが何百といて一体を除いてみんな凶暴。そんな感じで外見に色合いがなく、差別化がないからこそたくさんのロボットの中のサニーという存在が濃い中身を持っていること、中身が垣間見える瞬間における他のロボットとの差別化と見えた瞬間の視聴者の安心感が強調されてこのキャラがどんどん好きになっていきます。
まぁ昔からよくある使い古された方法ではありますが笑笑
映画は視覚情報であるからこそまずそのキャラを外見で判断しようとします。その外見の差異をほとんど消すことで中身の差別化を強調する。強力ですね笑笑 これによって作られたホラーはたくさんありますね。

モイナハンのキャラも最高でした。こちらもロボットのように無表情で冷たい感じから終盤にかけて感情がどんどん発露していき人間味を帯びてくる。この物語世界の人間の変化すべき方向性を示すメタファーとしてとても綺麗に機能しています。

ウィルスミスのキャラは過去に傷を負っています。その傷の効果が最初は少し弱いかなと思っていました。たしかに其れ相応のトラウマ体験ですが、実質命を救われています。それでロボットをあそこまで憎むというのはなかなかイメージしずらかったんですが、最後の最後に全て解消されましたね!サニーがロボットを超えたロボットになれるか、その最後の試練に繋がるとは!綺麗な伏線で感動してしまいました!笑


ベタだけど、そのベタさがむしろ気持ちいい!そんな質の高い映画だと感じました!
まぁベタといっても今から見ればですが笑笑 このアイデアがベタに感じるのは、アシモフのこのアイデアから着想を得ていったブレードランナー、2001年、ターミネーターなどなどのおかげかな? 映像化こそこの映画が一番直近だけどアイデアとしてはフロンティアで、創始者!!ベタに感じるのも当然でしょうね〜^_^
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