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宇宙人ポールのikoanのレビュー・感想・評価

宇宙人ポール(2011年製作の映画)
3.4
くだらないけど面白い!ご存知サイモン ペッグとニック フロスト コンビが繰り広げるお下劣おバカ映画。いや〜いいですよねこの二人。
イギリスからやって来たSFオタクでアホだけど善人の2人がエリア51の近くでロズウェル事件以来60年間基地内に幽閉されていた宇宙人ポールと遭遇。追っ手のエージェントから逃がれながらも彼をお迎えの宇宙船に送り届けようと奮闘するドタバタロードコメディと言ったところでしょうか。
お二人の映画らしく所々にSF映画のパロディが盛り込まれ元ネタ知ってるとニヤニヤさせられます。シガニーウィーバーの役所なんか笑っちゃいました。
で、ポール君元々知性は高かったんでしょうが、60年間アメリカのテレビを見続けた結果とんでもなく下品な人格になっちゃったみたいで下ネタの連続なんです。アメリカのテレビの影響ってほんと恐ろしいと変なところで感心してしまいましたよ。こうしてすっかりアメリカナイズされたポールは一方で死んだ鳥を生き返らせる奇跡を起こす事もできるんです。
途中一行に合流するヒロイン、厳格?な父親にキリスト教原理主義を叩き込まれたルースがまた意味深な人物なんですよね。片目の悪いルースはポールの奇跡で開眼!真実にも目覚めあっさり原理主義を捨てるんです。いきなり人格が変わっちゃって自由で奔放なアメリカ人へと変貌を遂げます。これって聖パウロの回心?なんですかね。ポールってパウロだしね。
この映画、イギリス人から見たアメリカ人を茶化してるんだろうけど、アメリカは人種も宗教も多種多様な国、でも結局はキリスト教の国なんだって事ですかね。
ルースのお父さんの攻撃的なところなんか正にアメリカ国家の攻撃性を象徴しちゃってますよね。
最後の最後に奇跡を目の当たりにしたルースのお父さん、その後回心するんだろうか…。なんてね。
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