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宇宙人ポールのyksijokiのレビュー・感想・評価

宇宙人ポール(2011年製作の映画)
3.6
SFヲタクによるSFヲタクのためのSFヲタクを主人公にしたファンムービー。いたるところに小ネタが散りばめられているし全体のストーリーも「未知との遭遇」に寄せてきているあたりがとても素直で単純に映画として面白かった。テイストがちょっとファンボーイズにも似ているかもなと思った。(ロードムービー、バンに乗る、ヒロインが途中合流など)

ポール含めて登場するキャラが濃いめ。なんだか憎めないキャラばかりでそこがエンディングまで継続されている。登場人物が増えてもそこの濃さのバランスがいいためかそれぞれが薄まらないのがよかった。

ストーリーが若干単調というかある程度の予想がついてしまうのは前振りもちゃんとしているしオマージュ元の映画もあるから仕方がないのかも。大きな驚きはないけれどクスッと笑えるシーンは多くある。そしてセリフの言葉遣いの酷さが笑える。特にルースの下ネタとFワードの使い方が酷い(笑)

音楽も微妙にETっぽかったりスターウォーズ風だったり、スピルバーグ映画っぽいBGMもあったりでとても愉快だった。こういうのにありがちなセリフまわしでのオマージュ(テレビシリーズとかそういうディープなやつ)もそんなに多くないし、わかりやすいMIBからの引用なんかもあるのでそこまでSF映画に詳しくなくても普通に面白かった。

サイモンペッグとニックフロストのコンビ感がヒロイン登場で若干薄くなるのはちょっと残念だった。序盤の言い争いみたいなのが続くともっとよかったかも。サイモンペッグは目立ちすぎず、活躍しすぎることもなくで良かった。

物語の展開としては中盤若干テンポが落ちてしまうのでそこはガッカリ。何かしら盛り上がりがあってもよかった。ポールもああ見えて結構中身が大人だし。とはいえ頭空っぽにして観れる系の中ではかなりレベル高かったし、最後ちょっと感動したりもしちゃった。普通に続編が見たい。
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