Cisaraghi

宇宙人ポールのCisaraghiのネタバレレビュー・内容・結末

宇宙人ポール(2011年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

英国のオタクが憧れのアメリカに行って撮った、アメリカ映画のパロディ&オマージュ満載のオタクロードムービー、てなところか。監督はアメリカの人だけど。

最初の方、ダイナーのオネエサンとか、ポリスマンとか、映画やドラマで見知った絵に描いたようなアメリカっぽさに感銘を受けたりビビったりする2人にいたく共感した。オタクじゃないけどコミコン行ってみたい。
 銃に粗野な白人男にキリスト教原理主義者。フィクションやメディアを通して形作られるステレオタイプのアメリカ観は、イギリス人と日本人とでそう大きな違いはなさそうだ。
 イギリスとアメリカの比較文化ネタもありがちだけど面白い。男同士が仲良くすると必ずゲイだと思われる、という英米の違いは、仲好しのサイモン&ニックコンビにとってはマジでやりにくかったのでは。

もう一人のバディ、体は貧弱なくせに口が悪くて態度のデカい中味オッサンのポールのキャラもよかった。いいヤツだ(チトほろり)。ちゃんと連れてってあげて彼女の人生を埋め合わせするところもいい。最後のawkwardのセリフは、さすがこのコンビが脚本を書いてるだけある英国っぽさ。こういう気まずさみたいなもをちゃんと拾うのがイギリス人らしくて好きなところ。
 途中から加わる黒丸アイパッチのダーウィンに一目惚れするサイモン・ペグと、いい感じになる二人に心がざわつくニック・フロストかわいい。

パロディとかオマージュの元ネタがもっとわかるともっと面白いのだろう。イウォーク女のところは、スター・ウォーズを見ておいてよかったとつくづく思った。


以下、場所情報。
二人が行くのは通称ETハイウェイ、正式にもExtraterrestrial Highwayと呼ばれているルート375。ブラックメイルボックス、エリア51などを経てロズウェルに至るUFOオタクの巡礼コースらしい。ポールに出会って全然別方向のワイオミングに行っちゃったけど。
 あの岩山は、ナショナル・モニュメントに指定されているワイオミングのデビルスタワー。麓からの高さは386mくらいだから、東京タワーより高い。「未知との遭遇」にも出てきたらしい。あんなものがあんなところに忽然と存在すること自体けっこう謎。
 その他はニューメキシコで多く撮影されているようだ。
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