らくだ

宇宙人ポールのらくだのレビュー・感想・評価

宇宙人ポール(2011年製作の映画)
4.5
サンディエゴのコミコン(コミケやゲームショー的なオタクイベント)で遊び、キャンピングカーでUFO名所巡りに旅立ったオタクコンビのグレアムとクライヴは、道中のトラブルでエイリアン・ポールと出会う。なんだかんだとポールの調子に巻き込まれ、彼の母船への合流を手助けすることに…という、アメリカ横断ロードムービーにトンチキで陽気な宇宙人が強烈に作用する青春と友情のSF(すこしふしぎ)コメディです。

とにかくこのすっとんきょうな宇宙人ポールがものすごく俗っぽくて、性格からはじまり口調の治安の悪さや軽薄な気質が完全にチャラいおっさんで最高なんですよね。SF的な超然としたところや人間を下に見るような高知能生物的なところがあまりにも無さすぎる…特にタバコを吸う仕草が完全にくたびれたおっさんのそれで、人間と似ても似つかない怪物(失礼ですよ!)なのにあまりにも様になってるのが好き…

そして、なんとなくパッとしないオタクだったグレアムとクライヴが、ポールたちと出会い旅をする中で不思議な友情を育み、人間として一皮むけていくという芯がしっかり通っているし、彼ら自体がみんな変人ながら観ていて気持ちの良いかわいらしいキャラクターなのもあり、単なるSFコメディでは終わらないさわやかな後味があって、素敵な作品でした。みんなほんとにかわいいよね…異星人とおっさんふたりなのに、かわいいなんてずるい

あと、この作品はSF映画ネタが至る所に隠されているらしいのですが、詳しくないせいもあってその辺に目があまり行かなかったのは勿体なかった… 皆さんも探してみてくださいね
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