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モンゴルのBaadのレビュー・感想・評価

モンゴル(2007年製作の映画)
4.0
4月の終わり頃に見ました。

物語の始まりが鎌倉幕府が成立したのとほぼ同時代。その辺から映画に引き込まれました。
部族紛争を繰り返す遊牧民の中で、ある部族長の息子が多少なりともより人間的な生活を望んだことが世界帝国の成立に繋がってく、そのことの端緒を迫力満点に描いています。

撮影した地域では、大人数のエキストラの動員が可能だったのでしょうか。CG頼みでないモブシーンの迫力は流石でした。博物館や写真でしか見たことのない武具の数々が実際に使われる有様は本当に見事で、美術さんに感謝。

主要なキャストの多くが扁平な顔立ちだったのが印象的。その中に何の違和感もなくとけ込んでいた浅野さんと、妻役の女優さんが良かったです。

駆け足で描いた年代記であることが多少物足りなくはありましたが、時代と文化の違い、そしてチベット仏教の発展のきっかけもしっかり物語に織り込み、民族のるつぼの中で生き延びることの必要条件をきちんと伝えている、メッセージが大変くっきりとした良い作品でした。

(大陸的って、こういうこと?! 2008/5/14記)
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