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殺しが静かにやって来るのmasayaanのレビュー・感想・評価

殺しが静かにやって来る(1968年製作の映画)
3.5
マカロニ・ウェスタン、はじめました。と言うわけで、まずはセルジオ・コルブッチ。どんなものかと思って恐る恐る見たのですが、みんなイタリア語なのに舞台はちゃんと合衆国であり、無法者たちが「相手が先に抜いたよな?俺は正当防衛だよな?」としきりに確認し合っている様子は、法律を最低限守ろうという建前と言うより、西部劇の様式美を守ろうとしているようで、可笑しい。

舞台は、見渡す限りの雪原が重々しい冬の町、その名も「スノー・ヒル」。そこでは、生活費や老後の資金確保のために手段を択ばない賞金稼ぎたちが蔓延っており、住人たちは日々怯えながら暮らしている。一方、幼いころに目の前で両親を殺され、自らも証言防止のために喉を引き裂かれた男(通り名を「サイレンス」という)が、復讐請負人として悪党どもを脅威の早撃ちで成敗している場所でもある。

とまあ、いろいろあって、このサイレンスと、賞金稼ぎの中で一番のワルとが対決する流れに収束していくわけですが、このラストはなかなか・・・・切ない。もうちょっとどうにかならなかったのかなあ、と素朴につぶやいてみる。とは言え、雪原+馬の組み合わせは新鮮で、天空からの俯瞰的なロングショットは良かったです。言うまでもなく、タランティーノの新作にも影響大でしょう。どちらかと言うとマニア向け。
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