くわまんG

殺しが静かにやって来るのくわまんGのレビュー・感想・評価

殺しが静かにやって来る(1968年製作の映画)
4.0
うーーーわ……

みどころ:
クラウス・キンスキー
後味もクソも無い後味
揺さぶるモリコーネの音楽
ダメージ大につき閲覧注意

あらすじ:
19世紀末、ユタ州スノーヒルは悪徳判事に支配されていた。村人から職を奪い、野盗にして懸賞金をかけ、雇った賞金稼ぎに殺させ、上前をハネるド畜生である。冷酷、狡猾、残虐と三拍子揃った殺し屋のロコと結託し、善良な村民を食い物にしていた。
哀れな遺族らは二人が処刑される日をただ待ちわびていたが、この度未亡人となったポーリーンは泣き寝入りを拒み、固く復讐を誓った。そして、伝説のヒットマン“サイレンス”を呼び寄せるのだった……。

タランティーノの最迷作『ヘイトフルエイト』が目指した、オーバー・ザ・バッドエンドなマカロニウエスタン。たけし映画やなんかで、無情なバイオレンスにある程度慣れてる現代の観客をしても、「うわぁ…」と言わしめるだけの“ヤり逃げされた”感を孕んでいます。

何と言っても、居るだけでろくでもないことが起こる男、クラウス・キンスキーが完璧。“豪語する悪党は口先と真逆の醜態を晒して無様に死ぬ”というセオリーを大胆に無視する、外道の道を外れたド外道なのであります。

最悪の味わいを深めるのが、これまた見事なモリコーネの音楽。ある時は泣いているような、ある時は息を飲んでいるような、その演出は観客の内なる声そのものと言っていいほどなんですね。

疲れている時は絶対観ない方がいい、まさに閲覧注意な一本。でもね、面白いんですねぇ。