RIO

ヴィトゲンシュタインのRIOのレビュー・感想・評価

ヴィトゲンシュタイン(1993年製作の映画)
4.0
激しい情熱ゆえに予測しがたいこの若者
ヴィトゲンシュタインの少年が可愛い

宇宙から見た個人には過去・未來もない
あるのは実存のみ

知性と信念の問題に踏み込んだ
地上に散らばった言葉
その限界を感じ
またその言葉がどこから
やって来ているのかを明らめる

人間の根本的な生き方に主眼を置く

知的で濃いめの75分
プリシラみたいな女性が不思議な安心感
ケンブリッジで教えているとこは
ゴダールの「楽しい知識」に似てました

朝には希望に燃えて研究を始めて
夕方には絶望の淵にいる

何も得ないことで
また新たなものを手にする
この世で正気にならないことの意味を知る

ヘーゲル < トロツキー
講義 < 西部劇映画・ミュージカル映画
学者・指導者 < 労働者

瀕死の枕元でヴィトゲンシュタインに
男がある若者の話をするのが良かった

大人になった若者がザラザラした物は
欠点なのではなくて
世界を動かす原動力なのだと分かった
物凄い実感値がわく

作品でのヴィトゲンシュタインの
言葉を少し書きます

「世界が存在してることはハッキリしている
でもその意味が分からない
その謎は時空の何処にあるのか」

「人が時に愚かな事をしなければ
意味あることは何もなし得ない」

耽美的かつ終末観
デレク・ジャーマンの奇怪な世界

思考を乗り越えてあえて地上の生活に
帰依した感覚を持つことに価値をおく

「靴は履かないに限る」

世界か神様か
いずれかに調和をしていないと
虫ケラの自分の良心が動揺する

人生前半と後半でそれぞれの思考に変化がある
そのどちらでも影響力を及ぼしている
どっちに振れても貫徹されている

純粋なシリンダーなんですね
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