イチロヲ

ゴジラVSビオランテのイチロヲのレビュー・感想・評価

ゴジラVSビオランテ(1989年製作の映画)
4.0
ゴジラ細胞の有効的活用法を探究している科学者(高橋幸治)が、亡き娘(沢口靖子)の幻影に取り憑かれながら、ゴジラの最接近を促していく。平成VSシリーズのコジラ映画第1弾。通算17作目。前作からドラマが継続している。

細胞の争奪戦に警鐘を鳴らす三田村邦彦、争奪戦を煽る闇組織に肉薄していく峰岸徹、スーパーXの指揮を執る高嶋政伸、草花と会話することができる電波系の小高恵美。各人が、異なる視点からドラマのシークエンスを形成させていく。

公開当時、筆者は劇場で鑑賞しているのだが、ビオランテが地滑りしながら猛ダッシュしてくるシーンの衝撃は今でも脳裏に焼き付いている。「得体の知れない物体」が目前に現れたときのビックリ感覚は、ヘドラに比肩するレベル。

両者の対決がガップリ四つの怪獣相撲になってしまうため、怪獣プロレス好きには物足りなさを感じてしまうが、ゴジラを介した「負の連鎖」を問題提起するドラマが秀逸。平成VSシリーズの導入部としては、完璧な出来栄えといえる。
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