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ゴジラVSビオランテのKUBOのレビュー・感想・評価

ゴジラVSビオランテ(1989年製作の映画)
4.0
マニアの間で評価の高い『ゴジラVSビオランテ』を4Kリマスター版で久しぶりに鑑賞。

芦ノ湖の闘いと言えば『ウルトラセブン』の「湖のひみつ」に出てきたエレキングと、このビオランテ! 私の大好きな箱根での2大怪獣決戦とあって、当時から印象が深かった。

「ゴジラ細胞」「遺伝子工学」「三原山の噴火」「予知能力」「抗核バクテリア」と、ストーリーは公募で選ばれた作品らしいが、大森一樹がやりたいことをてんこ盛りで盛り込んだ印象。

ストーリーの核となるのは「核エネルギーを食べるバクテリア」。

「原水爆が産んだ怪獣」VS「遺伝子工学が産んだ怪獣」の構図は、かつて科学が創りたもうた最悪の発明「原爆」と、新たな科学である「バイオテクノロジー」が同等かそれ以上の危険なものであるとの警笛を鳴らす。

以下、見ながら感じたつぶやきを徒然に…


前作でも思ったんだが、この「スーパーX」っていうメカのデザインがダサすぎる。ネーミングもダサすぎる!

小田原から芦ノ湖まで、ゴジラどうやって登って来たんだろう? たいへんだったろうなぁw

できたら湯本辺りで逃げ惑う人々とか、富士屋ホテルを破壊するゴジラとか、箱根っぽい景色をもっと入れてほしかったな〜。

その点『GMK』は大涌谷でのゴジラ対バラゴンとかリアルでよかった。

「1つでも原子炉を破壊されたら日本は…」って、この頃は仮定の話だったけど、今の日本ではリアルな話。

「関西国際空港、建設基地」って、まだ関空できてないね〜。海の上にヘリポートだけ!

「M6000TCシステム(サンダーコントロールシステム)」って、今見返してみると、対ゴジラの戦い方が妙になんちゃって科学で厨二病的。

ワイヤーフレームだけのCGが時代を感じさせるな〜。

メーサー砲が出てくるとなんかうれしいオールドファンw

自衛隊のオペレーター役で若い頃の「鈴木京香」が出てるけど、超かわいい❤️ (豊原功補も同じちょい役で出てるけど、そっちはどうでもいいw)

「バットマンみたいだった」活躍した三田村邦彦にマドンナのスーちゃん(田中好子)が言う台詞だが、本作公開時はティム・バートン版『バットマン』が大ブームだった年。

定番の伊福部メロディも多く使われてはいるが、音楽は先日お亡くなりになった「すぎやまこういち」さん。ゴジラ作品にしては明るく爽やかな交響楽で終わるが、すぎやまこういちさんらしいメロディだ。


「ゴジラでも、ビオランテでもない。本当の怪獣はそれを作った人間です。」

ゴジラ作品としては『対ヘドラ』に並ぶ、異色作であり意欲作であろう。評判に違わぬ、記憶に残る名作だ。
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