「人生において二度観る映画」
一度目は少年時代で鑑賞して、
二度目は大人になって鑑賞し、
違った視点で楽しめる作品だ。
一度目は少年たちの冒険にワクワク。
二度目は昔あった思い出を懐かしむ。
原作はスティーブン・キングの短編。
映画化での脚本と演出は非常に巧み。
ホラーじゃないスティーヴ・キング。
その名作の一つとも言える本作です。
主人公は4人の少年です。
内気で真面目なコーディ。
強い正義感を持つクリス。
ちょっとイカレたテディ。
臆病なうっかり者バーン。
それぞれが心に傷を持つ。
語り手のコーディに成長物語でもある。
賢兄愚弟の意識から内気な性格になり、
物語を作る才能も自身が信じていない。
4人のリーダー的存在で頼れるクリス。
誰よりもコーディの才能を認めており、
誰よりも信念を最後まで貫き通します。
父親を尊敬し軍人に憧れるテディ。
その一方で虐待を受けているけど、
それでも父親を誇りに思っている。
旅のきっかけを作る天然なバーン。
コミックリリーフとして活躍して、
埋めたヘソクリの瓶をずっと探す。
似た境遇の4人がひと夏の冒険に出かける。
大人から見れば大した事がない旅であろう。
だが、当人たちには一つの旅で冒険である。
現実から離れ、楽しむ彼らの姿は印象的だ。
少ない金でパンと肉を買い、
焚き火を囲んで焼きながら、
他愛もない会話をしていく。
これだけでも楽しいのです。
その後の一服はさておいて。
では単純に物語を簡潔にすると、
4人の少年が死体を探しに行く。
それだけの物語である。
しかし、それ以上の意味合いがある。
特にコーディにとって。
本作は決して大きな展開はない。
どこの町にもありそうな物語だ。
だからこそみんなが好きな本作。
子供の頃に立ち戻る作品でもある。
エンドロールとともに流れる名曲。
『スタンド・バイ・ミー』
それをBGMにして昔を振り返る。
本作を観終わった後に懐かしむ昔。
『スタンド・バイ・ミー』
この意味は二つの意味をあります。
「そばにいて欲しい」
「私の事を支持して」
本作と曲には後者の意味を持って、
コーディを成長させる物語となる。
大人になったコーディが最後に綴った言葉。
「あの12歳の時のような友達はできない」
この言葉は輝いていたあの頃こそが本作だ。
RE-97