螢

スタンド・バイ・ミーの螢のレビュー・感想・評価

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)
3.9
少年期のみずみずしさとかけがえのなさを、現在の視点からの「語り」と「回想」、そして、さらなる「過去」という巧みな組み合わせで描いており、感傷と温かな気持ちで見終えた作品。

仲良し四人組の、ゴーディ、クリス、テディ、バーン。12歳の彼らは、ある夏の日、好奇心と虚栄心から、森にあるという「死体」を探す旅に出た。
一見、少年らしい無邪気な冒険に見える四人の珍道中は、ふざけあったり、けなしたり、助け合ったりしながら、とても賑やかに進んでいく。
けれど、四人の家庭環境はそれぞれに複雑な事情を抱えていて、彼らの無謀ともいえる旅は、少なくない現実逃避の意味もあって…。

ゴーディとクリスの、互いに抱えていた心の傷や苦しみ、そして、迷いを、誰よりも理解し、相手が心の奥底で求めていた言葉をごく自然に送りあった親友関係には、もらい泣きしてしまいました。
多感な時期に、親にも関心を払われず、たった一人孤独にもがいていた時に、親友からそれぞれに欲しい言葉をもらえたから、彼らは未来を掴むために頑張り、「今」を築いたんだなあ…と。
(私も、ものすごく苦しい時期に、親友の言葉に救われたことがあって、それを思い出したせいもあるかも…。)

一緒にいた時間が人生のほんの一瞬だったとしても、苦しい時に、そばにいて、理解してくれて、一番欲しい言葉をかけてくれた友達の存在って、それだけでもう、十分だと思う。

この物語には、なつかしさや感傷だけでなく、実はある大きな「不幸」と「悲しみ」、そして、「意外なこと」も含まれているのだけど、それも含めて、人生の機微を感じられる、良い作品でした。

(作品鑑賞後、ものすごく親友に会いたくなり、連絡いれました。
全てが明かされるラストシーンを通じて、会わなくても親友なのは変わらなくても、会えるのなら会っておかなきゃ、というとても切実な気持ちになりました。)