少年時代の友達や冒険は唯一無二のかけがえのないもので、大人になってからの友達や経験とは違った価値があるのだと思う。子供特有の勇気、愚かさ、無邪気さ、全てを肯定して、我々にその価値を教えてくれるのがこの作品だ。
一方でこの作品には終始「死」がつきまとっている。冒頭知らされる親友の死、コンプレックスを抱いていた兄の死、そして線路の先にあるという死体。死体探しの旅は究極的には死に到達するという全ての人間に訪れる運命を暗示しているように思う。
死体を見つけるなんて無意味な行いだ。しかし、その過程での彼らの旅は意味のあるものだった。かけがえのない友達を作り、忘れられない素晴らしい経験をしたのだから。人は遂には死ぬ。しかし、それまでにどう生きるかが大切だとこの作品は教えてくれているのだと思う。
デヴィッド・ロバート・ミッチェル作品にも共通する子供時代と死に関する作品であるように思われる。
青春のみずみずしさ、ニヒリズムを克服し、どう生きるのかという実存主義的なテーマ。今まで観たことなかったのだけど、素晴らしい作品だった。