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ジェイン・オースティンの読書会のtaruponのレビュー・感想・評価

3.9
2008年の公開時に劇場でみているのですが、今回10年ぶりに再見です。10年前見た時もそもそもジェイン・オースティンが好きで6作の長編は全部読んでいる状況だったので、基礎知識としてはそれほど変わっているわけではないはずなのですが、今回の方がなんか倍楽しめた気がするのはどうしてだろう?
ジェイン・オースティンの映像化作品も見てきたことでよりジェイン・オースティン自体に対する愛の幅が広がったためかなぁ??

ジェイン・オースティンの読書会に集まった6人を中心に彼女、彼の夫婦関係であったり恋愛であったりを、読書会で担当する各物語になぞらえつつ(そうでもないものも多いけれど (笑)描いています。

この映画は、ジェイン・オースティンを知っているかどうかで、どの程度楽しめるかがずいぶん変わってくると思う。
高慢と偏見の映画はみたことはあるけれどくらいで6作それぞれの話まではそんなによく知らないということであれば、6人の現実の群像劇という視点でみればそこそこ普通に面白く見れましたという感じではないかと思う。スコア的には3.5くらい?でも、そこにジェイン・オースティン自体を重ね合わせてみるとスルメ感が増してくる。
シルビアの娘のアレグラが、「分別と多感」のマリアンヌというのは納得だけれど、アレグラとシルビアの母娘にマリアンヌとエレノアの姉妹をなぞらえている感も感じる。原作ではシルビアが「説得」でブルーディーが「マンスフィールド・パーク」なのが映画では逆にしているのは、映画の構成上山場の置き方の問題なのだろうなとか(とはいっても、両方そこそこ均等に扱われていたけれど)
でも、ブルーディーのキャラを考えると、「マンスフィールド・パーク」のファニーは結構なぞらえている役だなぁとか。
また、読書会での会話で、登場する男性キャラクターに対してどういう評価をしているかも面白い。

というわけで、これは家で見返して、オースティン好き同士で、あぁでもないこうでもないとこれをネタに語り合えると最高に楽しい映画なのだなという価値を再認識した次第でした。
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