はたかまじゃないよ

奇跡のはたかまじゃないよのレビュー・感想・評価

奇跡(1954年製作の映画)
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扉の開閉、時計の音、極めて絞られたカット数。歪みのもとに死と奇跡がある。
光源についても考えたい。床に伏すインガーの画面に光源はなく、しかし作品上最も輝きを湛えている。
支えるのは類稀なるレイアウトだが、それを可能とするのは、舞台となる屋内空間の極端に低い屋根、並びに空間を仕分け、動線の鍵となる横移動を可能とする画面比率である。