くぅー

妖僧のくぅーのレビュー・感想・評価

妖僧(1963年製作の映画)
3.6
ずっと気になっていて、やっとのことで鑑賞。
市川雷蔵が長髪で道鏡を演じているが、史実を大胆過ぎるほどにアレンジした怪作。

3,600日の山籠り仏法修行にて、死人を甦らせる様な法力を得た僧侶、やがて朝廷に呼ばれ、女帝の病を法力で治して寵愛を受け、謀反さえも防ぐ前半・・・おどろおどろしさもあり、なかなかの見応え。
後半は一転、美しき女帝と一線を越えてしまい、戒律を破ったがゆえに法力は失せ、女帝への愛と仏法僧としての己との葛藤のドラマが描かれる。
さらには、政権争いにも首を突っ込む描写も興味深く・・・政は権力ではなく慈悲ってメッセージは、今の議員の方々に届けたくなるが。

何だろう、怪作と紹介はしたが、寓話的な余韻にも浸れた作品。

そう、城健三郎こと、若かりし若山富三郎の悪役ぶりにニヤリ。
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