みおこし

一日だけの淑女のみおこしのレビュー・感想・評価

一日だけの淑女(1933年製作の映画)
3.9
リメイク版の『ポケット一杯の幸福』も素晴らしかったですが、オリジナル版もやっぱり最高でした...!

街でリンゴを売り歩いている老女アニー。彼女にはスペインに留学させている娘がおり、ある日彼女が伯爵の息子の婚約者と共に彼女に会いに来るという内容の手紙が届く。しかし、今まで手紙上でアニーは裕福な貴婦人であるかのように書いていたため、このままだとその嘘がバレてしまう。困窮した彼女に救いの手を差し伸べたのは、賭博で生計を立てるならず者、デーヴだった。

名匠フランク・キャプラの初期の代表作の一本。トーキーが開発されて間もない1933年の作品とかなり古いクラシック映画ですが、その洗練されたユーモアと心温まる愛情が詰まったストーリーは今もなお色褪せません。嘘は悪いもの、とされるけれど、本作でアニーがついた嘘は誰しもが仕方ないと頷くしかない切ない嘘。娘を守るために貫いてきた仮の姿が崩れそうになった時、一見悪人のデーヴはじめ、街中の人が一丸となってアニーを【一日だけの淑女】に仕立て上げようと奮闘します。もうそんな周りの思いやりの深さといったら、これを書いているだけでもウルっとしてしまいます(笑)。そもそも原作が素晴らしいお話ですね。

『プリティ・ウーマン』『プリティ・プリンセス』『マイ・フェア・レディ』『シーズ・オール・ザット』など、恵まれていなかったり、冴えない女性が美しいレディに変身するというストーリーの作品は映画史を振り返っても名作揃い。本作はまさにそんなシンデレラ・ストーリーのパイオニア的存在なのかなと。
主演のメイ・ロブソンは当時75歳。冒頭は貧相な身なりと下品な話し方なのに、どんどん洗練されていき最終的には高貴な淑女へと見事に変身。オスカーにも本作でノミネートされていますが、とにかく圧巻の名演技でした。思わず涙腺が緩んでしまう、あのラストの表情もたまらない。

キャプラ節はこの作品から健在で、クスッと笑ってしまう描写も盛りだくさん。いつもは素行の悪い賭博師たちも一緒になって貴族になろうと躍起になります(笑)。掛け合いが最高に面白かったです。

クラシック映画でリメイクしてほしい作品個人的にナンバーワン。リメイク版もベティ・デイヴィス主演でこれまた良かったのでオススメ!