Canape

BIUTIFUL ビューティフルのCanapeのレビュー・感想・評価

BIUTIFUL ビューティフル(2010年製作の映画)
4.7
下には下がいてその下にも下がいる。そんな人たちのお話。
もうなんて映画だろうね。バベルとか21gとかが何だったんだって思えるくらいの衝撃と重さ。母国語できっとこれが本当に取りたかったものだったんだのだろう。あがいても何にも変わらない。善悪どうこう言う余裕が微塵もない。要領が悪いとかそういうんじゃない。だた必死に生きる事しかできない。良かれと思ってやったことが裏目となり僅かな希望も打ち砕かれる。食事と呼ぶには程遠い偏った食生活。子供に残せるものなんて何にもない。聞かれたbeautifulの綴りすら伝えられない。お守りの様な指輪を託して、何の意味もないような石を握らせる。全部間違っているかもしれないし、正しいことなんかわからない。でも子供にとっては愛すべき大切な存在でその一言一言を噛みしめ、抱きしめる。きっとこの男もそうだろう。1人だったらこんなに苦しまなかった。でも1人じゃないから救われた。この父親の姿をきっと子供は忘れない。苦しいのにまたいつか見たいと思ってしまうほどに心を熱くする。そしてこの作品を捧げた相手と例えがが素晴らしいじゃない。素敵。
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