人がひとり死んでも特に気にしないゆるゆるぐだぐだの世界観、ホラーとしては致命的なテンポの遅い演出、マツコ・デラックスそっくりのモンスター…。それに加えて同時代の「ギニー・ピッグ」を思わせるブラックなコメディ描写もことごとく滑っていて、見ている間脱力感が襲ってくる。平山監督は「学校の階段」のようなジュブナイルな怪談話は好きでも、こういうホラーは苦手なジャンルなのだろうなと感じる。
舞台であるリゾート地での撮影も、作品に特に貢献せず単に金があったから行きました的な雰囲気に留まっている。唯一誉めるところは柄本明の不気味な、しかしどこか愛嬌のある怪物的キャラクター。
ちなみに聞いた話では本来ならこの映画は「死霊の罠」の続編を想定して作られたが、コメディタッチの話になってしまったので結局別の映画になり、「死霊の罠2」も別の監督で作られることに。確かに「死霊の罠」といくつか共通するところがあるけれど、こんなに違う話になるのかね。