Kamiyo

ビッグ・ウェンズデーのKamiyoのレビュー・感想・評価

ビッグ・ウェンズデー(1978年製作の映画)
3.8
1979年”ビッグウエンズデー” 監督ジョン.ミリアス
”地獄の黙示録”のシナリオ

40年前 ああ、懐かしい。誰にでもある青春時代を描いた作品だった。

原題""Big Wednesday""で、劇中に登場する伝説の大波のこと。
当時はサーフィン映画として話題になった、ジョン・ミリアスのいわば『アメリカン・グラフィティ』版(1973)ともいえる映画。

前半、「ロコモーション」「マネー」「シェリ-」などの当時のヒット曲が流れるのが嬉しくなります。序盤は62年の夏から65年の秋ということなので、何故、ビートルズやビーチボーイズは挿入されなかったのでしょうか?時代的にはまさにかぶっているのですが。テイストの違
いかな?。

三人の男の友情の描かれた時代 1962-1974
青春時代をサーフィンで過ごした、マット、ジャック、リロイの3人が友情を通して成長していく。

ジャックの自宅でのパーティ、ドンチャン騒ぎが類を見ない程に酷い有り様で黙って本を読んでいる母親?の懐の深さに感服。

ベトナムから還って来たジャックがボードに乗って海に漕ぎ出すシーン好きだ。水を掻くジャックの手と飛び散る水の色、光り方を見ると夏の暑さと冷たい水の感触が体に湧き上がってくる。この映画の映像は"夏の暑さ“や"夏のにおい”"夏の肌触り“"夏の空気感”までを映像に写し撮っている。
だが、何と言っても、ビッグ・ウェンズデーが打ち寄せてきた浜に一人ボードを持ってむかったマットが、崩れかけた浜の門柱をくぐったとき、両脇にジャックとリロイが待っているシーンがとことんに素晴らしい。このシーンでは言葉は一言も交わされない。何の言葉を交わさなくても三人の間で語り合っている心の声が聞こえてくる。

マットも、ジャックも、リロイも、あのビッグウェンズデーを最後に二度と会うことはないような気がした。
少なくともマットは、もう二度と大波には乗らないような気もした。
想像でしかないけど、青春を共に過ごした3人で乗ったのが最初で最後の最高の波って良くない?

サーフィンのシーンは、迫力ある映像が続き、カメラワークも素晴らしい、サーフィンの見事な映像は、冒頭とラストのビッグ・ウェンズデーがやってくるシーン

大好きだったサーフィン、死んでいった友、青春を卒業する自分。そこにノスタルジーを感じられる者のためにある
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