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ミックマックのろのレビュー・感想・評価

ミックマック(2009年製作の映画)
5.0

カラーから一気にモノクロになる。
空を背景に、縦長のクラシカルなクレジットが流れていく。ウワーッ!
主人公が路上生活をしながら大道芸で食いつないでいるところも、ほとんどセリフがないからサイレント映画みたいだ。
そうかと思えば、防犯カメラをズーム!ズーム!YouTubeのシェアボタンをクリック、みたいな現代のモチーフも登場する。
鉄くずでできた機械仕掛けの人形と、高架下で響くエンジン音が共存している。
私はこういう世界観が好きなんだなぁ、なんだかワクワクしてきた。

父を殺した地雷と頭の中の銃弾。
その製造者を突き止めたバジルは、武器会社に復讐しようと計画を練る。
取引相手のポケットに麻薬を忍ばせてみる。
窓拭き清掃員になりすまし、メールを覗き見。
作家や数字少女、軟体お姉さん、廃品修理の達人・・・個性豊かな仲間たちとともに、会社同士の潰し合いを煽っていく。

蜂を詰め込んだ時限爆弾を作ってみたり、人間大砲を打ち上げてみたり、巨大磁石で車を吊り上げたり、手作り感満載のやり口でじわじわ追い詰める爽快感。
「ウエスタン」のヘンリー・フォンダさんもビックリのむごい復讐だな・・・と思いきや、ガツンと強烈なメッセージが電波を駆け巡っていく。

ピノンさんが自慢げに話していた「湯たんぽ膨らまし競争で肺が破裂」エピソードが可愛すぎて、最後まで気になってしまいました。
ろ