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エレファント・マンのskm818のレビュー・感想・評価

エレファント・マン(1980年製作の映画)
3.7
外見の奇形のために見世物小屋で虐待されていた男がある外科医に見出されて云々という話。ラストがよだかの星みたいや。40年以上前の作品であり、描かれてる時代は19世紀。今こういった扱いしてたら犯罪だが、当時はこれが善意だったのだろうなと思う。虐待していた興行師は論外だけど、医師も最初は学会発表をものするための素材として彼を連れてきてたんだよな。しかし彼に知性があるとわかって態度が変わる。知的障害があってまともに喋れなかったら友人として扱おうとしたか疑問だよな。彼を女優に引き合わせたことで名士連中の興味を引いて有名になったことについては、自分も彼を見せ物にしてるだけでは?と悩んだりする。後半になると医師の態度はかなり慎ましくなる。一方、興行師の方も関わってしまったことで何かがひどくなってる気がするんだよなあ。もしかしたら彼がメリックの父親ではないのかと思ったが違うようだ。よくわからんのはあの女優だよな。話題作りのためだけに彼を利用してる感じでもない。ちゃんとその後劇場に招待してくれてるしな。本質的な部分を見抜ける人だったのかもな。婦長もプロだった。でもどれだけ親切にされても結局メリックは人の世話にならなければ生きることは出来ず、その保護を離れれば地獄で、その枠の中でやりきった感を味わったらもう死ぬしかなかったということなのだろう。
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