バージニアで一介の天文学者が地球に迫る彗星の存在を確認するも政府に伝えられぬまま事故死して一年。女性記者ジェニーが政府がひた隠しにする情報を知って愕然とする中、ついに米国大統領トムは地球滅亡の危機を発表。衝突回避のために発進したスペースシャトルによる彗星爆破計画「メサイア」に命運を託す様を描いた災害映画です。
特殊映像進化に期待したパラマウントが『ジュラシック・パーク』や『ツイスター』を成功させたスティーヴン・スピルバーグを製作総指揮に迎えてミミ・レダーの監督で制作した作品で、二ヶ月後にマイケル・ベイの『アルマゲドン』が大ヒットしたことで後の印象は霞ましたが公開時は3.5億ドル弱の興収を記録してインパクトを残しました。
隕石衝突という題材に爆破作戦、そして展開まであまりに『アルマゲドン』と似通っていますが、ベイヘムでコントに走ったあちらにに比べるとリアル路線で、それ故の他愛なさはあるものの多様な登場人物の視点で物語を盛り上げます。なにより力の入った災害描写は恐れを抱かせるもので、このジャンルのレベルアップに貢献した一作です。