筋肉ナポリタン

ルールズ・オブ・アトラクションの筋肉ナポリタンのレビュー・感想・評価

4.5
動物たちが戯れている可愛いらしいジャケットに惹かれて借りたら、殺されかけました。人間のディスコミニケーションの本質を捉えた内容なので、鑑賞後の心はズタボロ。羊の皮を被った狼、まさに【精神的スプラッター映画】なので注意です。

舞台は大学、4人の男女の恋愛模様をそれぞれの視点から描いていくんですけど、みんな相手のことを全く考えずに自分の都合の良いように解釈して恋愛を進めていくので、青春時代の恋愛は結局1人でしかしていないんだってことが露わになります。

「青春時代の恋愛を美化し、まるで人生の絶頂のようにキラキラと描いているフィクションなんて嘘っぱちだ!」って感じで真正面からぶつかってくるので、決して見ていて心地いいものではないですが、それは誰も口にしないけれど「ほんとうのこと」なので、見る人によっては気持ちが楽になるかもしれません。

原作者が「アメリカンサイコ」の人ということなので納得しました。人間の暗部を鋭く捉える作家ですね。
監督は「パルプフィクション」の原案をタランティーノと一緒に作った人ということもあり、冒頭の逆回転映像など凝った映像も楽しめます。