必殺のTVシリーズは子供の頃に大好きだった。私の中での仕事人は、山田五十鈴や中条きよし(!)自分の記憶の古さにショックを受けつつ、好きなキャラクターは、上司の田中様、せん&りつ、鮎川いずみだったので、仕事人の顔ぶれが替わっても、彼らの普遍的な存在が嬉しかった。
劇場版は初めて観たけれど、型が完成しているから、子供の頃の感覚とほぼ変わらず楽しく観ることができた。とは言え"型があるから簡単"であるはずもなく、今だからこそ感銘を受けた中村主水のシーンは三つ。
中盤、捕物の現場で先陣を切らされたのにも関わらず、奉行所のチームに見放され、自分がハメられたと思い知る場面。
終盤、秀の棲家にある床下に隠れる際、鞘を抜いた状態の刀を持ちながら身を潜める時の体勢(何気にリアルで凄い)。
そしてエンドロールの階段のシーン。若い頃なら間違いなく、真っ直ぐに降りてくる松坂慶子の凛とした美しさに見惚れるところだが、今回はそれを後ろから見つめる藤田まことの巧さに驚いた。