ぐりんでる

スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐のぐりんでるのレビュー・感想・評価

5.0
銀河はシスの魔の手に染まる

悲劇にして個人的にシリーズ最高の作品
音楽、アクション、演出、どれも鳥肌ものの場面のオンパレード。特に最後の師弟対決は剣舞史上最も美しくかっこいいアクションだと思う

序盤から前作でのラスボスとの再戦、中ボス戦、黒幕発覚と、怒涛の展開は見所しかない
アナキンは結構碌でもないが、ヘイデンクリステンセンのダークな男前がハマりまくってる

スターウォーズEP1〜6までの物語はダース・シディアスの野望の実現とその崩壊を描いたものとの見方がある。

しかも、侵略ではなく表と裏の顔を使い分け合法的に政界で登りつめ、銀河を我が者とする手腕は実に鮮やか。

今作では自分の意のままの銀河帝国を築き皇帝として君臨する計画の大詰めと達成が描かれる
その決め手になる最大の一手が主人公アナキンスカイウォーカー。

“フォースにバランスをもたらす”選ばれし者として期待されまくり、男前で実力も相応、美人の嫁を内緒でこさえ名実共に最強のジェダイになりつつあるにも関わらず、良くも悪くも素直すぎる面があり感情に忠実すぎる欠点がある。精神的にちょっとあれでメンヘラの気があるアナキン!

言葉巧みにジェダイへの不信感を高めるよう誘導され、愛への強い執着心をも利用されてほいほいと暗黒面堕ち

しかし問題はアナキンだけにあるわけでもない

眼前の暗黒面の暗躍に気付くこともできず、悩むアナキンに精神の安定を説くにも関わらずメンタルトレーニングもせずにふわふわした精神論で「お前の考え方はダメ」と軽くあしらう上司ヨーダや、「あいつは信用できない」となんなら切り捨てにかかる上司ウィンドウ。
「予言にある選ばれし者かもしれないし、違うかもしれん。まぁそこんとこは運命に任せましょか〜」と呑気極まりない思考回路で教育を放棄してる節まである

結局、双方関係を築き合えず選ばれし者を失い、
結果的に共和国と仲間である多くのジェダイの命を奪われることになってしまったが
アナキンだけでなくジェダイ上層部自体が傲慢なのも否めなすぎる

それでも生き残ったヨーダとオビワンは諸悪の根源シスを打ち砕くため立ち上がる。これは熱い!が、

「弟のようなアナキンは殺せないから皇帝を俺が殺ります!」というオビワンに対し、「お前じゃ勝てねぇ!」と一人皇帝に挑むヨーダだが、「もうちかれた…」って感じでよくわからない決着のままこそこそと敗走…

戦い自体は超かっこよかったが、結末は銀河最大の危機にもっと頑張れよww感半端じゃない

一方、アナキンvsオビワンは最高of最高すぎる

あの感じだったらヨーダとオビワンまた二人で挑めば勝てたんじゃ…って思うがカッコよく拗ねた感じで謎に隠居…シスの狡猾さに比べてジェダイのなんともな感じも見所な今作

最終的には生命維持装置をつけお馴染みの姿のダース・ベイダーと化したアナキン。愛する者の死を知り悲痛な叫びとともに放つありったけのフォース。

それを目の当たりにし、ベイダーの力はもはや弱くなり力では自分には及ばない、反逆は不可能。と悟った皇帝の笑みの邪悪さはまさにRise of the Sith。

見事なシスのサクセスストーリーであり帝国の日の出、銀河系とスカイウォーカー家にとっては悲劇であり夜の始まり

こうしてダースシディアスの掌の上で踊らされ、翻弄され続けてきたスカイウォーカー家の物語はいよいよEP9で完結するとのことで、新ポスターや予告でもなんらかの形でダースシディアスの登場が期待されます。とても楽しみです!

レイ…どうなってしまうの…