ずけし67

パンズ・ラビリンスのずけし67のレビュー・感想・評価

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
4.6
もともとダークファンタジーは好きなジャンルなのですが、この映画は、現実世界とファンタジー(幻想)の世界を交互に織り交ぜて見せることで独特の雰囲気をかもしております。

そういった展開・ストーリーから、ラストの解釈に至っては、観る人によってハッピーエンドともバッドエンドとも受け取れる巧みな構成になっているところなど(実際、いろいろ物議をかもしてますね)、とても面白い映画だと思います。

終始暗い雰囲気だし、内容もちょっと重いけど、でも見応えのあるダークファンタジー作品でありました。



舞台は1944年のスペイン。
おとぎ話や童話が好きな少女オフェリア(この女の子がまあカワユイ♡)は、妊娠中の母と共に、母の再婚相手で新しい父親となる政府軍の大尉のもとへと引き取られることに。

そこは、未だに政府軍と反政府ゲリラとの争いが続いている山奥にある政府軍の要塞(基地)だった。

熾烈を極めていく政府軍と反政府ゲリラとの戦闘、戦争という悲惨で過酷な現実の世界の中で、あるときオフェリアの前に妖精が現れる。

妖精に導かれ、迷宮の中を進んでいくオフェリアは、大昔に滅んだとされる地下王国を今も守り続ける守護神パンに出会い、幻想の世界を体験することに。

果たしてそれは、厳しい現実から逃れるためのオフェリアの妄想・夢物語なのか、それとも大人たちには見えない実在する別世界、おとぎの世界なのか...



ダークファンタジーとはいえ、出てくる妖精や魔物たち、それに王国の守護神パンまでも、皆まあグロテスクというか、キラキラしたファンタジックな可愛さが無く、どこまでもダークです。

特に、2番目の試練に出てくる、目が手についている妖怪ペイルマン!
僕的にはどツボの気味悪さのクリーチャーなのですが(←褒めてます)、これは小さなお子さんにはトラウマレベルの造形ビジュアルではないかと。
うちの末娘(小3)が見たら間違いなく「こ、こわいよ~」と泣くと思われ。

そういった不気味な部分や、戦時中が舞台ということもあって、終始暗い雰囲気の映画なのですが、そうした中でひときわ輝きを放つのがオフェリアの存在です。

過酷な環境下ながら、小さな体で試練を乗り切ろうと頑張る姿や、辛いながらも時折見せる純粋無垢なオフェリアの笑顔は、けなげで見ていて泣けてきます。

そしてやはりラストの解釈は意見が分かれるところでしょうが、僕としてはオフェリアに「良く頑張ったね、よかったね」と言ってあげたい、何より自分はそう思いたいなと...

でもなんか切なくて泣けてくるんですよね...


オフェリアーーー!!( ꒦ິ⌓꒦ິ)


いやいや、悲しむことなんてないじゃないか。
だってラストに見せたあの笑顔、キラキラと輝いていたじゃないか。
...と、あの笑顔を思い出すとまた切なさが押し寄せて...


オフェリアーーー!!( ꒦ິ⌓꒦ິ)


これはハッピーエンドなんだと自分に言い聞かせつつも、なんとも切なく、やるせない余韻の残る作品なのでありました。