B級怪獣エイガ

パンズ・ラビリンスのB級怪獣エイガのレビュー・感想・評価

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
4.5
なんて暖かいような悲しいような映画なんだ。
普通にグロ画を撮っただけでは出せない【グロさ】(と言っていいのか)がこの映画にはある。特に兎狩りの親子のシーンは(ディスじゃなく)【ドン引き】した。映画というものはただ見るだけだからこちらは手を出せない。その【ただ見るだけ】の感じがあのお父さんと重ね合わさりとんでもない【やるせなさ】を感じて酷く落ち込んだ。『ああ…』とか言えない、どうか悪夢であってくれと願うもそれは紛れもない現実。目の前で起こる衝撃。
そこにあの大佐を憎む気持ちはもはや無く、ただ本当に【残念】だった。残念で仕方がなかった。絶望と虚無感がどっと押し寄せた。医者のシーンやラストシーンもそう、ただただ見るしかないその無力さ。しかもこの大佐、【本当にいそう】感がまた残念であった。(褒めてる)

そんな残念で、理不尽な現実に手を差し伸べるかのような【ファンタジー要素】が泣けてきて仕方がなかった。胸が苦しくなる。
信じるわ。てか観客の僕が信じなくて誰が信じんだよ!!(涙目)という気持ちでいっぱい。

あと映画的にやばかったのは有名なペイルマンのシーン。ここの【捕まっちまう】感が凄い。何回見ても『捕まってしまうんじゃなかろうか!?』とクソハラハラする。撮り方と主人公のまさかの行動『なんで食ったの!?なんで!?馬鹿なの!?逃げろロロロロ????!?え!?にしても馬鹿野郎!?!?なにしてんの?!逃げろロロロロ×10』の【困惑】気持ち、ペイルマンの動きと造形、チョークの設定が合わさってこの最強の【捕まっちまう感】が出てる奇跡的シーンになってると思います。