劇場公開時ぶりの鑑賞。
1944年、スペイン独裁政権下に生きた女の子の話。
ジャケ写のイメージから『ヘルボーイ』や『クリムゾン・ピーク』のようなゴシック全開の世界と、キモカワクリーチャーが全編通して活躍するファンタジーを期待すると肩透かしを食らうかも。
本編の基礎となるのは、暗い色調で描かれる辛く過酷な”現実”。冷血な独裁者と自らの周囲に降りかかる不幸。そしてその隙間に明度高めの王国世界が入り込む。
明と暗。そのギャップが観客の心を揺さぶる。
幻想世界を愛でるというよりは、現代の平和や、当時同じように不遇を強いられながらも生きた人々に想いを馳せ、その生を愛でる映画。
(といいつつも、ペイルマン[手のひらに目がついた子供食いの怪物]の見た目のキモカワ感と動き、一連のシーンの緊迫感は本当に素晴らしすぎる…)