さききち

パンズ・ラビリンスのさききちのレビュー・感想・評価

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
3.1
劇場公開時ぶりの鑑賞。

1944年、スペイン独裁政権下に生きた女の子の話。

ジャケ写のイメージから『ヘルボーイ』や『クリムゾン・ピーク』のようなゴシック全開の世界と、キモカワクリーチャーが全編通して活躍するファンタジーを期待すると肩透かしを食らうかも。

本編の基礎となるのは、暗い色調で描かれる辛く過酷な”現実”。冷血な独裁者と自らの周囲に降りかかる不幸。そしてその隙間に明度高めの王国世界が入り込む。

明と暗。そのギャップが観客の心を揺さぶる。
幻想世界を愛でるというよりは、現代の平和や、当時同じように不遇を強いられながらも生きた人々に想いを馳せ、その生を愛でる映画。

(といいつつも、ペイルマン[手のひらに目がついた子供食いの怪物]の見た目のキモカワ感と動き、一連のシーンの緊迫感は本当に素晴らしすぎる…)
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