misty

パンズ・ラビリンスのmistyのネタバレレビュー・内容・結末

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

オフェリアのおとぎ話。どんなに現実が過酷でも、見たくないものに溢れていても、そしておとぎ話の中のひとたちも醜い姿だったとしても、そばにあるだけで心を守ってもらえることがある。オフェリアは現実に心を閉ざしていく少女でもあり、自由に羽ばたいていく少女でもある。

映像はほれぼれするほどきれいだけど、正直よくPG12で済んだなとも思った。痛そう。こわい。つらい。
オフェリアがママのお腹の中にいる弟へ語りかけるシーン、彼女の言葉はとても悲しくも慈愛に満ちていて、それがラストシーンにつながるのはただ悲しい(悲しいという以外の語彙が欲しい)試練はすべて達成されて、おとぎ話の世界で永遠に少女の姿で両親と一緒に幸せに生きていけるなら、彼女にとってはハッピーエンドかもしれないけれど残されたメルセデスは悲しくて泣くでしょう。現実に生きていないならやっぱりそれは終わりでしょうとも思うと、悲しい。オフェリアがたどり着いた玉座がとてもきらきら輝いていたから余計に悲しい。

現実とおとぎ話が混じり合っていくのはほんとにお見事だった。パンさん、いい人なのか悪い人なのか判断つかなかったけど、後半につれ登場してくれるとなんか嬉しいみたいな、オフェリアと同化してた。

ぶどうを食べたくなる気持ちはよくわかる。
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