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パンズ・ラビリンスのmasaのレビュー・感想・評価

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
4.2
悲しい…
悲しくて涙が出てしまう作品は、自分はあまりないのだが、これは…もう…
何とも言えないやりきれない悲しさと、あの子守歌の美しくも哀しいメロディに泣いてしまいました…
あのメロディが頭から離れない…
悲しすぎる…
でもその奥に見えるかすかな希望の光を信じるしかない。
そして、一番大事な反戦のテーマが込められている。これを忘れてはならない。
ダークファンタジーと反戦の融合。
ギレルモ・デル・トロにしかできない。

スペイン内戦下を舞台に現実と迷宮の狭間で3つの試練を乗り越える少女の成長を描く。
ファシズムという厳しい現実から逃れるため、架空の世界に入り込む少女を通じて人間性の本質に鋭く切り込んでいる。

1944年のスペイン内戦で父を亡くし、独裁主義の恐ろしい大尉と再婚してしまった母と暮らすオフェリアは、この現実から逃れたいと願うばかり自分の中に新しい世界を創り出し…

モンスターの造形がリアルで、おどろおどろしいが観ているだけで楽しい。
ファンタジーだが、お子さんが観ると泣いちゃうと思います…

そしてクリーチャーを演じるダグ・ジョーンズがやはり凄い。
特に手のひらに目玉をつけたペイルマンの動きが恐ろしく奇妙…

物語に出てくる3つの試練は物凄く深い意味が隠されているのだと思う。これは、大傑作だ。
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